<   2016年 05月 ( 2 )   > この月の画像一覧

『山下達郎と、その周辺。』Web Report 後半


さて、後半です。
まずは、これを聞きたい思います。
今回のツアーで、グッと来たというかザワッてきた瞬間が二つあって、
ひとつは、さっきの村田さんの「一本の音楽」をギター一本でやった時で、
もうひとつは、この曲の時でした。「土曜日の恋人」。
この「土曜日の恋人」は86年の作品で、ひょうきん族のエンディング曲です。
うまく言えないんですけど、80年代の達郎さんの曲って、
こう、ちょっと向こう側にある幸せな瞬間、
ちょっとがんばれば明日の夜幸せなことがあるんだろうなっていう気持ちにさせる。
遠い未来とかではなく、ちょっと手の届く未来。来週とか、
明日とかそういう感じ。
土曜の夜をテーマにした曲は幾つか書いている気がしますが、
その中のひとつです。45回転のアナログEP音源です。

16.土曜日の恋人(アナログEP音源)

過去のライブでは演奏したことがなく、
今回のツアーで初めて演奏したということでした。
アルバムとしては86年4月に出た「Pocket Music」に入っているので、
ジャスト30年経つんですね。
83年から86年までというのは、NHK-FM『サウンド・ストリート』をやっていて、
聞いていた方もいらっしゃると思います。
僕は最終回とその前、2回分を録音したんですけど、
それがこのあいだ再生してたら切れちゃったんですよ。
でもセロテープで復活させました。さすがアナログ。
『サウンド・ストリート』は、月曜日は佐野元春、火曜日は坂本龍一、水曜日は甲斐よしひろ、
木曜日が山下達郎、金曜日が渋谷陽一の5人がやっていました。
夜の10時から10時50分なので、
その時間は部屋に行って家族との交流を一切断っていましたね。
86年の「Pocket Music」が出たときに、
佐野元春の回に山下達郎が出たことがあって。
当時まだ二人は30歳くらい。その触りを聞いてみましょう。

17.Motoharu Radio Show(1986.4.21カセットテープ音源)

TAPE収録ナレーション
佐野元春「『Pocket Music』というタイトルに込めた意味とは?」
山下達郎「Pocketというのは僕らのこのポケットと解釈してもらっていいです」
佐野元春「ポケットに入るようなフレンドリーな音楽?」
山下達郎「というか、音楽自体、ミュージックという記号以外のものをすべて排した意味。
     小さくなるとそれぐらいになるんじゃないかと」
佐野元春「ああ、なるほど」
山下達郎「フィル・スペクターがポケットシンフォニーという言葉を使ってたのね。あれと同じような意味かな」
佐野元春「なるほどね」
山下達郎「曲の『Pocket Music』というのはね、またちょっとニュアンスが違ってて、その内容じゃないんだけど。
     毎月、シングルとLP合わせて400Wくらい出るのね、日本だけで。
     だけどヒット曲になるのは一割ないわけじゃない」
佐野元春「ええ」
山下達郎「あとはほとんどなにも認知されることなく、歴史の中から消えていっちゃうから。
     結局、ヒットした曲がオールイズバッドグッディーズロストドリームとして残っていくわけ。
     失われた思い出にもなれないから、曲に対しての鎮魂歌。『Pocket Music』というのは、
     曲の意味合いはそうなんだけど、
     アルバムのタイトルとしてはもうちょっとコンパクトなの」
佐野元春「うん、うん。『Pocket Music』山下達郎」

ということで「Pocket Music」はちゃんとした音で聞いてみましょう。
さっき話したカッティングから始まります。
テンポは遅めなんですが素敵なカッティングです。

18.Pocket Music

はい、この『Pocket Music』というアルバムは、クリスマスイヴが入った
前作「Melodies」やその前の「FOR YOU」「RIDE ON TIME」とかに比べると
やや地味な存在ですが、このあっさりした感じがぼくは好きです。
ちょっと、達郎が流れていてほしいな、という休日の午前中とかには、これを掛けますね。
「FOR YOU」とかだと濃すぎるというか、B面とかすごいですからね。

もうひとつ、最近のものからカッティングものを一曲。

19.Midas Touch

2005年のアルバム「SONORITE」からです。
この頃になるとエンジニアも吉田保ではなく中村達也さんという人になります。
自分のスタジオ、プラネットキングダムのハウスエンジニアですね。
サウンド作りもボーカルがばしっと張り付いて、広がり系というのではなくコンパクトに、
こう中に中に入っていくという感じで仕上がっている。

ここまでカッティング、カッティングと言っているんですが、
ギターのカッティングというカテゴリーで聞いている作品のほかに、
ベース始まりという特徴で聞くものがあります。
ベースで始まる曲はベースに聞き入っちゃいます。そのへんを聞いてみましょう。
83年の「Melodies」からB面の1曲目が「メリーゴーランド」という曲で超絶かっこいいんです。
では。

20.メリーゴーランド

割と簡単なベースなので僕でも弾けましたね。
演奏もいいんですが、声の感じもかっこいい。やっぱりね、若いとこうだね。
冒頭に吉田美奈子さんの話をしましたが、
「Melodies」から吉田美奈子さんの作品は歌われなくなり、
自分の言葉で書くようになります。
どこかのライナーに「このアルバムは全部僕が書いている」と書いてあるんですが、
それは間違いで1曲だけ吉田美奈子さんが書いています。
「メリーゴーランド」のあとに入っている「Blue Midnight」。
これ、やばいくらい良い曲です。
これを最後に美奈子さんの詞は歌わなくなります。
一度掛けたことがありますが、
ちょっと聞いてみましょうか。

21.Blue Midnight

いいですね~。

世の中でコンテンポラリーミュージックでやっているシンガーソングライターは皆、
美奈子さんに歌詞を書いてほしいと思っていて
アプローチするんですが、「1曲だけならいいよ」って感じでたいてい1曲だけは書いてもらいう感じです。
それこそオリジナルラブ、久保田利伸、角松さん、トミタラボとか、
ちょいちょい書いているんですが基本的にはあまり他人には提供していないです。

ベースに戻って、ベース聞きものをもう何曲か聞いてみます。
ベースありきの曲で一番有名なのが、達郎がそこそこ認知されるきっかけにもなった「Bomber」です。
『GO AHEAD!』という、この恐ろしいジャケットのアルバムに入っています。
B面の1曲目です。B1はベースで始めたいってことですかね。
アルバムバージョンとこのベストアルバムのバージョンはミックスが違うので、
アルバムバージョンで聞きます。
B面の1曲目は頭にものすごいSE (サウンド・エフェクト)が入っていて、
道路工事のドリルの音みたいです。

22.Bomber

「Bomber」は78年なので、僕はまだこの当時はリアルタイムでは聞いてないんですが、
大阪のディスコでヒットし始めて注目され、
このあと「RIDE ON TIME」につながっていく発端になった曲ということです。
あとベース物としては、今回のツアーでもやった「Dancer」。
「Bomber」ほど派手ではないんですけど。
元々は77年の『SPACY』に入っているんですが、81年のライブバージョンで聞きます。

23.Dancer

これもこのお二人(ドラム:青山純、ベース:伊藤広規)です。
さっきの「Bomber」はまだ伊藤広規じゃないです。まだ出会っていない。
あと、「メロディー、君の為に」のベースが好きなので聞いてみましょう。

24.メロディー、君の為に

割と単調なパターンですが、僕はこのベースが好きなんで、ベースものとして聞いてます。
さっきの『Pocket Music』からです。

そろそろ終わらせ方を考えています。どこで終わろうかと。どうしましょうかね、きりがない。。。
聞きたい曲がいくつかあるのでそれを聞きながら、クロージングを考えます。
結局、2000年代の曲はほぼ聴かずに終わると思います。はい。
バックメンバーの話をずっとしてきましたが、
こうやって聞いてくると、やっぱり、本人がいて、
それを再現してくれる演奏者がいて成立しているのだと思いますね。

この曲は唯一、この曲だけドラムとベースをこの人たちがやっているんだ、
ということで有名な曲があります。
位置づけとしては地味さ加減が「Pocket Music」と似ている
「MOONGLOW」というアルバムに入っている作品で
「Rainy Walk」を聞いてみます。

25.Rainy Walk

まあ、四六時中、達郎を聞いていないと分からないくらいの違いですが、
ドラムが高橋幸宏さん、ベースが細野さん、つまりYMO。
なぜこの二人なのかというと、
この曲自体はアン・ルイスのために書いてレコーディングも済んでいたものなんですが、
なにかしらの理由でアルバムに収録されず、
もったいないから自分で歌いますということのようです。79年のYMOなので、
まさにワールドワイドに活躍し始めた頃の二人がやっています。
歌詞は吉田美奈子が書いています。

最後にひとつだけ、元ネタ話を。いろいろ語られることは多いのですが、
達郎作品の多くにThe Isley Brothersの影響が聞きとれるので、
The Isley Brothersを、と思って持ってきました。
これ、22枚組。
どのへんを切り取っても山下達郎テイストは入っているので、2曲くらい聞いてみますか。
「DOWNTOWN」の元ネタになっていると言われている曲「If you were there」。
あとはファンキー物で「Show down」。

26.If you were there/The Isley Brothers
27.Showdown/The Isley Brothers

こんな感じで、
まさに見事にその当時の洋楽を取り入れているということで、
ここにアイズレーの22枚ボックスがあるので、気になる方は、ぜひ、どうぞ。

長々とやってきましたが、最後に最新作を聞いてみたいと思います。
ここで出てくるのが嵐です。「復活LOVE」。
竹内まりあ作詞、山下達郎作・編曲です。編曲もやるということは演奏も自分でしていまして、
ギターを弾いているのが達郎です。これは佐橋佳幸さんのギターということです。
佐橋さんは、ひっぱりだこのギタリストなんで、ツアーには達郎さんと小田和正さん、
90年代の佐野元春さんとかに参加しています。
ご存じ、ラブストーリーは突然に、のイントロのチャカチャーンというのは、佐橋さん。
佐橋さんは小田さんの事務所に所属してますね。
では、嵐、聞いてみます。

28.復活LOVE/嵐

フルコーラス聞いてしまいました。
まさか、cafeイカニカで、嵐をフルコーラス聞くことになるとは。

これ持ってていいかもしれないですね。
カッティングがいいですね。コーラスも結構やってましたね。

ジャニーズとは、達郎さんは古くはマッチさんの「ハイティーンブギ」、
キンキの「硝子の少年」なども書いています。
元々は70年代からずっと一緒にやっている小杉理宇造さんという方がいて、
もともとは、達郎のディレクターで
その後、一緒にムーンレコードも作りました。
小杉さんはいまは、事務所スマイルカンパニーという会社の社長で、
加えて今、ジャニーズエンターテインメントの社長でもあります。
小杉さんマターで昔からジャニーズの仕事もやっているということですね。
さて、嵐で終わっていいですかね?
(ザワザワ)

では、きょうはライブ音源の1曲目からスタートしたので、最後もライブ音源でいきましょうか。
達郎さんのライブはいつも「Your eyes」で終わるので、最後に聞きますかね。
「Your eyes」は「Sparkle」と同じアルバム『FOR YOU』に入っているんですが、
このカセットテープのライブ音源で聞きます。

29.Your eyes(カセットテープ音源)

TAPE収録ナレーション
「ここで乗るのは真に心苦しいのですが、
時間が大幅に延びて全部お聞かせできないのが残念です。
というわけで先週から今週の2週で2月23、24日、
神奈川県民ホール横浜で行われました山下達郎のライブからお楽しみいただきました。
きょう掛けた曲は、この暑いのに「ホワイトクリスマス」「クリスマスイブ」
「マンデーブルー」「Lala means I love you」「高気圧ガール」
「ラブアンドアイランド」「Big Wave」
そして今聞いていただいている「Your eyes」。全8曲でございました。
来週から3週間お休みでございます。9月第1週から
また山下達郎のサウンド・ストリートがスタートです。
9月の第1、2週はリクエスト特集をやりたいと思います。
どしどしリクエスト葉書をお寄せください。
それでは2週間続けてお送りしました山下達郎のライブ、
きょうはお別れの時間です。
また9月の第1週まで皆さん、ごきげんよう、おやすみなさい」

(曲途中で切れる)
まさにこれがカセットテープ。足りなかったんですね。
残念でした。とりえあえずクロージングします。

まだまだ聞き足りないとか、気になるものがあれば、
まだ居ますので、延長戦で。

ありがとうございました。


2016/5/3
at cafeイカニカ
[PR]
by ikanika | 2016-05-11 18:40 | Comments(0)

『山下達郎と、その周辺。』Web Report 前半

ikanika MUSIC SEASONING vol.12

山下達郎と、その周辺。
A Wonderful World of TATSURO YAMASHITA
2016.05.03


こんばんわ。
では、そろそろ始めたいと思います。
初めましての方が何名かいらっしゃいますね。
今回で、12回目になります。
もともとカフェで流している曲をご紹介するイベントということで
スタートしましたが、最近は、もはやそういうことは関係なくなってきています。
今回が、その最たるもの。達郎特集です。
この7年くらいで、2日間だけ達郎だけを流していた日があります。
平日の空いているだろうなという日で、
どうしても達郎が聞きたいな、ということで。

このイベントでは、必ず最後に達郎を掛けて終わるということにしてます。
ジャズや洋楽を聞いた後に、日本語のポップスを聞くと、
なんか気持ちいいんですよね。
過去に流した曲は、レジュメの右端に書き出してますので、
なるべくそれとは、被らない選曲になると思います。
加えて今日は、いわゆる正式にリリースされているものではない音源を
できるだけ聞いていきたいと。達郎さんの作品は、
ほぼ廃盤になっているものは無くて、
聞こうと思えばいつでもレコード屋で買えるのでね。
ということで、今日は、カセットテープや、
DATやアナログ盤を用意してきています。

で、達郎さんは、デビュー40周年のアニヴァーサリーイヤーということで
昨年から全国ツアーに出てましたが、今回僕は、新潟と東京を見に行きました。
運よく新潟公演のチケットが当たって見に行ったんですが、
もう一回見たいと思って、NHKホールの当日券に並びました。
当日券が出るか出ないかも基本分からないんですが、並んでいる人がいるんです。
なので、僕もそこに二時間くらいならんで。
たぶん、クレーム対応の席とか、そういう為に取っておいた席だと思うので、
物凄く良い席、一階の11列という。新潟は、二階のはじっこだったんですがね。
ということで、今回のツアーの冒頭の曲を聞きたいと思います。
ツアーの頭は、「Sparkle」と決まってます。
で、今回は、そのあとに、「Daydream」「Windy Lady」「Down Town」というながれ。
「Sparkle」が82年で、「Daydream」が80年、
「Windy Lady」が76年、
「Down Town」が75年ですかね。

最初は「Sparkle」と「Daydream」のライブバージョンを
1981年のライブの音源で聞きましょう。
82年にFMラジオで放送されたのをカセットテープに落としたものです。
僕、先日これを25年ぶりくらいに掛けたんですけど、
再生しすぎると切れちゃうと思って、MP3に保存しました。
FMで録音した音源で、音はアナログテープを回したものなのでヨレたりしていますけど、
ものすごく良い演奏をしているので、これを聞きたとおもいます。
フルコーラスで聞きたいので11分くらいあります。
では。

1.Sparkle(カセットテープ音源)
2.Daydream(カセットテープ音源)

すごいですね。
これ81年の年末のライブで、82年の放送なんですが、
この「Sparkle」が入ったアルバム「FOR YOU」は、82年の一月の発売なので、
このライブの時点では、お客さんは聞いたことがないというか、初めて聞く状態。
どんな感じだったんでしょうかね。
この「Sparkle」、あたまのカッティングがいいですよね、カッコいい。
いろんな人がカヴァーしてますが、実は今日、これをカヴァーしたウクレレアーティストの
サトウトモキくんが来てくれていますので、ちょっと生でやってもらいましょうかね。
(拍手)
では、良いかな、よろしく。

3.Sparkle(TOMOKISATO ライブ演奏)

(拍手喝采)

(平井)いいですね、あのカッティング難しいの?
(トモキ)はい、コードの押さえ方はそうでもないですが、
     リズムが、こうクイクイで、それに合わせて歌うのが結構難しいです。
(平井)なるほど、あとで教えてね。
    トモキくんでした、ありがとう。

これは有名な話ですが、
このSparkle、もとになった曲というか、インスパイアされた曲があってですね、
ちょっとそれを聞きましょう。これです。

4.If you want it/Niteflyte

「If you want it」は、達郎さんいわく、
音楽的にはコード理論とかがちょっとおかしくて、
そこを正しい感じでやりたいということで作ったと。
僕が聞いてもどこがどう違うのか分からないんですけどね。
これを聞いて達郎さんは「Sparkle」を作ったんですけど、
同じくこれを聞いてほぼ同じようなものを作っちゃった人がいます。
達郎フォロワーと呼ばれている角松敏生さんの「クレッセントナイト」。
「If you want it」にインスパイアされたというか。
イントロまんま、いっちゃってます。
聞いてみましょう。

5.クレッセントナイト/角松敏生

ちょっとテンポを落としてバラードっぽくしてますね。
でもイイ曲なんですよ、これ。
達郎は、1980年に、みなさんご存知の「RIDE ON TIME」が大ヒットして、
一般的に名前が知られるようになります。
このあと「Sparkle」が録音されるんですけど、
このときにこれから先々ずっと達郎のバンドのリズム体を担う人が参加してきます。
ドラムの青山純、ベースの伊藤広規。
この二人が80年代から90年代にかけての達郎さんのサウンドのキーを握ることになります。
青山純さんは2013年の暮れに他界してしまいました。
伊藤さんはお元気で、今回のツアーにも参加しています。
「Daydream」や「Sparkle」は曲は山下達郎ですが、
歌詞はこの時期はずっと吉田美奈子さんが書いています。色彩感にあふれていて、
割と抽象的な景色の描写のような歌詞ですね。
とくに「Daydream」は何を歌っているかというと、カラーチャートの色を歌っているという。
メロディーが先に上がっていて、そのリズムとメロディに合わせて、
色彩の言葉を集めて載せてみたというわけです。すごい斬新です。
デビューから達郎は吉田美奈子さんが歌詞、
本人が作曲という形を何曲も続けていきます。
一方で、吉田美奈子さんも達郎の曲を歌うということを相互にやっていました。
同じ時期の吉田美奈子を聞いてみましょう。
このときはまだまりあさんとは出会ってはいるけど結婚はしてないです。
曲は「Town」です。

6.Town/吉田美奈子

これはホーンアレンジとストリングスアレンジが達郎です。
一般的にというか僕の周りでも、
美奈子さんを聞いているという人は正直あまりいないのですが、
なんというか、中毒性が強いんです。なので、
いったん好きになると中毒症状が出ます。
「Town」は「RIDE ON TIME」と同じ頃の作品です。
聞いていた人は聞いていたと思いますが、そんなにはいないんじゃないかな。
同時期の達郎らしさがあるというよりは、ただただ美奈子さんの歌が強烈です。
美奈子さんといえば、これ、「フラッパー」というアルバムで、
ご存じ「夢で逢えたら」を歌っていますね。
ちょっと聞いてみましょうか。

7.夢で逢えたら/吉田美奈子

大滝さんの作品で、いまでは、美奈子さんの代表曲の一つになっていますが、
本人は断固としてシングルにはしないでくれと拒絶し続けたという話です。

吉田美奈子さんには吉田保というお兄さんがいます。
保さんはレコーディング・エンジニアで、
この時代の達郎さんの作品は、保さんによるものです。
当然、美奈子さんのもやってます。
エンジニアとは録音するとき、
こういう卓というデカイ機械をいじる人で、
エンジニアの腕いかんによって仕上がりに差が出ますよね。

Sparkleの話に戻りますが、カッティングものの醍醐味をもう少し聞いてみましょう。
Sugar Babeの作品です。
Sugar Babeの「Songs」は、40周年記念盤と94年盤を持っています。
30周年盤というのもあるんですが、なんとなく買ってません。
Sugar Babeは一年くらいしか活動してなくて、
解散コンサートの音源が結構YOUTUBEとかに出回っています。
その元は何かというと、その当時、達郎さんは「オールナイトニッポン」の第二部を担当していて、
Sugar Babeの解散ライブの音源を番組で放送していて、
それをエアチェックしたものがほとんどだと思います。
この解散ライブは1976年の3月31日、4月1日の二日間行われました。
僕が持ってる音源は、
僕がいたレコード会社の先輩のNさんがニッポン放送から
入手したというものをDATに保存したものです。
いい演奏をしています。超絶カッティングから始まる曲を
この貴重な音源で聞きたいと思います。

8.今日はなんだか/Sugar Babe(DAT音源)

94年盤の帯のコピーに、「そんなの20年前にシュガーベイブがやってるよ」と。
これ何をいっているかというと、当時、いわゆる渋谷系とがが流行っていて、
それに対しての言葉ですね。
洋楽だとスタイルカウンシルとかね。
Sugar Babeは達郎と大貫妙子さんがボーカルなのは有名ですが、
後ろの三人はメンバーが入れ替わっています。
レコーディングとライブは違うメンバーでやってて。
その中にベースの寺尾次郎さんがいます。
寺尾さんは今はフランス映画の翻訳の仕事をしています。
僕は音楽の仕事をしていたとき、
寺尾さんの娘さんで、寺尾紗穂さんというのですが、
彼女のCDを4枚プロデュースして出しました。
お父さんがSugar Babeのメンバーとは全く知らずに、
彼女のレコードを作りたいと口説き落とす為に、
渋谷西武のカフェで会ったんです。
そのとき「お父さんは何してるの」と聞いたら
「父はSugar Babeでベースを弾いてました」と。
それで家に帰って寺尾次郎を探したら、
後期にベースを弾いていたと知りました。
せっかくなので、寺尾紗穂さんを聞いてみます。
DNAが受け継がれている感があります。
今となっては、Sugar Babeっぽかったなと感じるところがあります。
このアルバムには今をときめく星野源も参加しています。
2008年の作品で、星野さん物ではなく、
ちょっとSugar Babeぽい可愛らしいのを聞きます。
何を思ったのか、世の中にない編成でいきたくて、
なぜかピアノとエレキベース2本になっています。

9.ハイビスカスティー/寺尾紗穂

可愛いでしょ。

Sugar Babeつながりで、大貫妙子さんを聞きます。
アルバム「サンシャワー」から。
これはプロデュースは坂本龍一さん。いまだにお二人は仲がいいですよね。
達郎がコーラスをやっている「Summer Connection」を聞きましょうか。

10.Summer Connection/大貫妙子

いまは、もうこういう感じのものは、
大貫さんはやりませんが、また聞いてみたいですね。
達郎はこの頃はいろんなもののレコーディングに参加していて、
プロデュースをしたりなんかもしてました。
80年の「RIDE ON TIME」を境に、達郎はそこそこヒットメーカーになっていくので、
だんだんと他の人のレコーディングに参加する機会が
少なくなっていくのですが、ほかに、女性ボーカルで可愛がっていたのはEPOです。
「DOWNTOWN」をカバーしてたり、アルバムも手厚くサポートしてます。
今はEPOさんは我が道を行き、自分でレーベルをやったりしてますが、
当時は達郎さんががっつりみてました。
「JOEPO」って架空のラジオ局を想定しているアルバムがあるんですが、
達郎が作編曲している「真夜中に二度ベルが鳴って」を聞きます。

11.真夜中に二度ベルが鳴って/EPO

これぞ達郎ですね!! 80年代に出した作品は割と似通った
アプローチをしている作品がいくつかあります。
「BIG WAVE」に入っている曲とほぼ一緒ですね、
これこれ、「Only with you」。

12.Only with you

ほら。同じ引き出しから持ってきましたって感じですね。
レジメを見ても分かるように、
86年まではほぼ毎年アルバムを出していて、量産体制です。
「Big Wave」からタイトル曲を聴いてみましょう。

13.Big Wave

懐かしいですね。同じアプローチで村田和人さんの作品があります。
村田さんは今年病気で他界してしまいました。残念。
「Big Wave」の一年前に出しているんですが、けっこう「Big Wave」的です。
CDもあるんですが、シングルヴァージョンなので、
アルバムバージョンのほうが好きなので、アナログLPで聞きます。
ちなみにこの「ムーンレコード」というのは達郎さんがやっているレーベル。
「一本の音楽」です。

14.一本の音楽/村田和人(アナログLP音源)

このアルバムにとてもチャーミングな曲も入っているので、聞いてみましょう。
作詞竹内まりあで、作・編曲山下達郎。
クレジットには達郎、青山純、伊藤広規、村田和人とあるんですが、ほぼ達郎状態です。
なんでここに入っているのか解せなかったんですけど、
CM用に作った曲で、達郎さんの作品ではあるのだが、
達郎はしばらくリリースがないから、
同じレーベルだからここにでも入れとくかって感じかと、勝手に想像してますが(笑)
年代が僕に近い方は聞いたことがあるのでは。
「ニコニコワイン」という曲です。

15.ニコニコワイン/村田和人(アナログLP音源)

はい、こんな感じ。
サントリーのワインのCMです。

では、ここでしばらく休憩です。


=休憩=
[PR]
by ikanika | 2016-05-11 18:39 | Comments(0)


cafeイカニカ コラム


by cafeikanika

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
未分類

以前の記事

2018年 08月
2018年 06月
2018年 04月
2018年 03月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 01月
2016年 10月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 11月
2015年 09月
2015年 07月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 01月
2014年 11月
2014年 09月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 08月
2010年 06月
2010年 04月
2010年 01月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 07月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 02月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 07月
2006年 05月
2006年 02月
2005年 12月
2005年 10月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月

記事ランキング

画像一覧