『山下達郎と、その周辺。』Web Report 前半

ikanika MUSIC SEASONING vol.12

山下達郎と、その周辺。
A Wonderful World of TATSURO YAMASHITA
2016.05.03


こんばんわ。
では、そろそろ始めたいと思います。
初めましての方が何名かいらっしゃいますね。
今回で、12回目になります。
もともとカフェで流している曲をご紹介するイベントということで
スタートしましたが、最近は、もはやそういうことは関係なくなってきています。
今回が、その最たるもの。達郎特集です。
この7年くらいで、2日間だけ達郎だけを流していた日があります。
平日の空いているだろうなという日で、
どうしても達郎が聞きたいな、ということで。

このイベントでは、必ず最後に達郎を掛けて終わるということにしてます。
ジャズや洋楽を聞いた後に、日本語のポップスを聞くと、
なんか気持ちいいんですよね。
過去に流した曲は、レジュメの右端に書き出してますので、
なるべくそれとは、被らない選曲になると思います。
加えて今日は、いわゆる正式にリリースされているものではない音源を
できるだけ聞いていきたいと。達郎さんの作品は、
ほぼ廃盤になっているものは無くて、
聞こうと思えばいつでもレコード屋で買えるのでね。
ということで、今日は、カセットテープや、
DATやアナログ盤を用意してきています。

で、達郎さんは、デビュー40周年のアニヴァーサリーイヤーということで
昨年から全国ツアーに出てましたが、今回僕は、新潟と東京を見に行きました。
運よく新潟公演のチケットが当たって見に行ったんですが、
もう一回見たいと思って、NHKホールの当日券に並びました。
当日券が出るか出ないかも基本分からないんですが、並んでいる人がいるんです。
なので、僕もそこに二時間くらいならんで。
たぶん、クレーム対応の席とか、そういう為に取っておいた席だと思うので、
物凄く良い席、一階の11列という。新潟は、二階のはじっこだったんですがね。
ということで、今回のツアーの冒頭の曲を聞きたいと思います。
ツアーの頭は、「Sparkle」と決まってます。
で、今回は、そのあとに、「Daydream」「Windy Lady」「Down Town」というながれ。
「Sparkle」が82年で、「Daydream」が80年、
「Windy Lady」が76年、
「Down Town」が75年ですかね。

最初は「Sparkle」と「Daydream」のライブバージョンを
1981年のライブの音源で聞きましょう。
82年にFMラジオで放送されたのをカセットテープに落としたものです。
僕、先日これを25年ぶりくらいに掛けたんですけど、
再生しすぎると切れちゃうと思って、MP3に保存しました。
FMで録音した音源で、音はアナログテープを回したものなのでヨレたりしていますけど、
ものすごく良い演奏をしているので、これを聞きたとおもいます。
フルコーラスで聞きたいので11分くらいあります。
では。

1.Sparkle(カセットテープ音源)
2.Daydream(カセットテープ音源)

すごいですね。
これ81年の年末のライブで、82年の放送なんですが、
この「Sparkle」が入ったアルバム「FOR YOU」は、82年の一月の発売なので、
このライブの時点では、お客さんは聞いたことがないというか、初めて聞く状態。
どんな感じだったんでしょうかね。
この「Sparkle」、あたまのカッティングがいいですよね、カッコいい。
いろんな人がカヴァーしてますが、実は今日、これをカヴァーしたウクレレアーティストの
サトウトモキくんが来てくれていますので、ちょっと生でやってもらいましょうかね。
(拍手)
では、良いかな、よろしく。

3.Sparkle(TOMOKISATO ライブ演奏)

(拍手喝采)

(平井)いいですね、あのカッティング難しいの?
(トモキ)はい、コードの押さえ方はそうでもないですが、
     リズムが、こうクイクイで、それに合わせて歌うのが結構難しいです。
(平井)なるほど、あとで教えてね。
    トモキくんでした、ありがとう。

これは有名な話ですが、
このSparkle、もとになった曲というか、インスパイアされた曲があってですね、
ちょっとそれを聞きましょう。これです。

4.If you want it/Niteflyte

「If you want it」は、達郎さんいわく、
音楽的にはコード理論とかがちょっとおかしくて、
そこを正しい感じでやりたいということで作ったと。
僕が聞いてもどこがどう違うのか分からないんですけどね。
これを聞いて達郎さんは「Sparkle」を作ったんですけど、
同じくこれを聞いてほぼ同じようなものを作っちゃった人がいます。
達郎フォロワーと呼ばれている角松敏生さんの「クレッセントナイト」。
「If you want it」にインスパイアされたというか。
イントロまんま、いっちゃってます。
聞いてみましょう。

5.クレッセントナイト/角松敏生

ちょっとテンポを落としてバラードっぽくしてますね。
でもイイ曲なんですよ、これ。
達郎は、1980年に、みなさんご存知の「RIDE ON TIME」が大ヒットして、
一般的に名前が知られるようになります。
このあと「Sparkle」が録音されるんですけど、
このときにこれから先々ずっと達郎のバンドのリズム体を担う人が参加してきます。
ドラムの青山純、ベースの伊藤広規。
この二人が80年代から90年代にかけての達郎さんのサウンドのキーを握ることになります。
青山純さんは2013年の暮れに他界してしまいました。
伊藤さんはお元気で、今回のツアーにも参加しています。
「Daydream」や「Sparkle」は曲は山下達郎ですが、
歌詞はこの時期はずっと吉田美奈子さんが書いています。色彩感にあふれていて、
割と抽象的な景色の描写のような歌詞ですね。
とくに「Daydream」は何を歌っているかというと、カラーチャートの色を歌っているという。
メロディーが先に上がっていて、そのリズムとメロディに合わせて、
色彩の言葉を集めて載せてみたというわけです。すごい斬新です。
デビューから達郎は吉田美奈子さんが歌詞、
本人が作曲という形を何曲も続けていきます。
一方で、吉田美奈子さんも達郎の曲を歌うということを相互にやっていました。
同じ時期の吉田美奈子を聞いてみましょう。
このときはまだまりあさんとは出会ってはいるけど結婚はしてないです。
曲は「Town」です。

6.Town/吉田美奈子

これはホーンアレンジとストリングスアレンジが達郎です。
一般的にというか僕の周りでも、
美奈子さんを聞いているという人は正直あまりいないのですが、
なんというか、中毒性が強いんです。なので、
いったん好きになると中毒症状が出ます。
「Town」は「RIDE ON TIME」と同じ頃の作品です。
聞いていた人は聞いていたと思いますが、そんなにはいないんじゃないかな。
同時期の達郎らしさがあるというよりは、ただただ美奈子さんの歌が強烈です。
美奈子さんといえば、これ、「フラッパー」というアルバムで、
ご存じ「夢で逢えたら」を歌っていますね。
ちょっと聞いてみましょうか。

7.夢で逢えたら/吉田美奈子

大滝さんの作品で、いまでは、美奈子さんの代表曲の一つになっていますが、
本人は断固としてシングルにはしないでくれと拒絶し続けたという話です。

吉田美奈子さんには吉田保というお兄さんがいます。
保さんはレコーディング・エンジニアで、
この時代の達郎さんの作品は、保さんによるものです。
当然、美奈子さんのもやってます。
エンジニアとは録音するとき、
こういう卓というデカイ機械をいじる人で、
エンジニアの腕いかんによって仕上がりに差が出ますよね。

Sparkleの話に戻りますが、カッティングものの醍醐味をもう少し聞いてみましょう。
Sugar Babeの作品です。
Sugar Babeの「Songs」は、40周年記念盤と94年盤を持っています。
30周年盤というのもあるんですが、なんとなく買ってません。
Sugar Babeは一年くらいしか活動してなくて、
解散コンサートの音源が結構YOUTUBEとかに出回っています。
その元は何かというと、その当時、達郎さんは「オールナイトニッポン」の第二部を担当していて、
Sugar Babeの解散ライブの音源を番組で放送していて、
それをエアチェックしたものがほとんどだと思います。
この解散ライブは1976年の3月31日、4月1日の二日間行われました。
僕が持ってる音源は、
僕がいたレコード会社の先輩のNさんがニッポン放送から
入手したというものをDATに保存したものです。
いい演奏をしています。超絶カッティングから始まる曲を
この貴重な音源で聞きたいと思います。

8.今日はなんだか/Sugar Babe(DAT音源)

94年盤の帯のコピーに、「そんなの20年前にシュガーベイブがやってるよ」と。
これ何をいっているかというと、当時、いわゆる渋谷系とがが流行っていて、
それに対しての言葉ですね。
洋楽だとスタイルカウンシルとかね。
Sugar Babeは達郎と大貫妙子さんがボーカルなのは有名ですが、
後ろの三人はメンバーが入れ替わっています。
レコーディングとライブは違うメンバーでやってて。
その中にベースの寺尾次郎さんがいます。
寺尾さんは今はフランス映画の翻訳の仕事をしています。
僕は音楽の仕事をしていたとき、
寺尾さんの娘さんで、寺尾紗穂さんというのですが、
彼女のCDを4枚プロデュースして出しました。
お父さんがSugar Babeのメンバーとは全く知らずに、
彼女のレコードを作りたいと口説き落とす為に、
渋谷西武のカフェで会ったんです。
そのとき「お父さんは何してるの」と聞いたら
「父はSugar Babeでベースを弾いてました」と。
それで家に帰って寺尾次郎を探したら、
後期にベースを弾いていたと知りました。
せっかくなので、寺尾紗穂さんを聞いてみます。
DNAが受け継がれている感があります。
今となっては、Sugar Babeっぽかったなと感じるところがあります。
このアルバムには今をときめく星野源も参加しています。
2008年の作品で、星野さん物ではなく、
ちょっとSugar Babeぽい可愛らしいのを聞きます。
何を思ったのか、世の中にない編成でいきたくて、
なぜかピアノとエレキベース2本になっています。

9.ハイビスカスティー/寺尾紗穂

可愛いでしょ。

Sugar Babeつながりで、大貫妙子さんを聞きます。
アルバム「サンシャワー」から。
これはプロデュースは坂本龍一さん。いまだにお二人は仲がいいですよね。
達郎がコーラスをやっている「Summer Connection」を聞きましょうか。

10.Summer Connection/大貫妙子

いまは、もうこういう感じのものは、
大貫さんはやりませんが、また聞いてみたいですね。
達郎はこの頃はいろんなもののレコーディングに参加していて、
プロデュースをしたりなんかもしてました。
80年の「RIDE ON TIME」を境に、達郎はそこそこヒットメーカーになっていくので、
だんだんと他の人のレコーディングに参加する機会が
少なくなっていくのですが、ほかに、女性ボーカルで可愛がっていたのはEPOです。
「DOWNTOWN」をカバーしてたり、アルバムも手厚くサポートしてます。
今はEPOさんは我が道を行き、自分でレーベルをやったりしてますが、
当時は達郎さんががっつりみてました。
「JOEPO」って架空のラジオ局を想定しているアルバムがあるんですが、
達郎が作編曲している「真夜中に二度ベルが鳴って」を聞きます。

11.真夜中に二度ベルが鳴って/EPO

これぞ達郎ですね!! 80年代に出した作品は割と似通った
アプローチをしている作品がいくつかあります。
「BIG WAVE」に入っている曲とほぼ一緒ですね、
これこれ、「Only with you」。

12.Only with you

ほら。同じ引き出しから持ってきましたって感じですね。
レジメを見ても分かるように、
86年まではほぼ毎年アルバムを出していて、量産体制です。
「Big Wave」からタイトル曲を聴いてみましょう。

13.Big Wave

懐かしいですね。同じアプローチで村田和人さんの作品があります。
村田さんは今年病気で他界してしまいました。残念。
「Big Wave」の一年前に出しているんですが、けっこう「Big Wave」的です。
CDもあるんですが、シングルヴァージョンなので、
アルバムバージョンのほうが好きなので、アナログLPで聞きます。
ちなみにこの「ムーンレコード」というのは達郎さんがやっているレーベル。
「一本の音楽」です。

14.一本の音楽/村田和人(アナログLP音源)

このアルバムにとてもチャーミングな曲も入っているので、聞いてみましょう。
作詞竹内まりあで、作・編曲山下達郎。
クレジットには達郎、青山純、伊藤広規、村田和人とあるんですが、ほぼ達郎状態です。
なんでここに入っているのか解せなかったんですけど、
CM用に作った曲で、達郎さんの作品ではあるのだが、
達郎はしばらくリリースがないから、
同じレーベルだからここにでも入れとくかって感じかと、勝手に想像してますが(笑)
年代が僕に近い方は聞いたことがあるのでは。
「ニコニコワイン」という曲です。

15.ニコニコワイン/村田和人(アナログLP音源)

はい、こんな感じ。
サントリーのワインのCMです。

では、ここでしばらく休憩です。


=休憩=
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by ikanika | 2016-05-11 18:39 | Comments(0)


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